遺言書作成を司法書士に依頼するメリット
遺言書は、自分の死後に財産の分配方法を定める重要な書類です。
しかし正しく作成しないと法的に無効になったり、相続人同士のトラブルの火種になったりする可能性もあります。
そのため、遺言書を作成する際に不安点があれば、司法書士に依頼するのがおすすめです。
今回は、遺言書を作成するにあたって、司法書士に依頼するメリットをわかりやすく解説します。
司法書士とは
司法書士は、不動産登記や商業登記、裁判所に提出する書類の作成など、法律にかかわる手続きを専門に行う国家資格者です。
特に相続や遺言書の分野では、法律的に有効な書類作成のプロとして多くの実務経験を持っています。
そのため、法的に確実な遺言書を作成したい方にとっては、心強い存在です。
遺言書の種類とそれぞれの特徴
遺言書にはいくつかの種類がありますが、主に次の3つが知られています。
- 自筆証書遺言
- 公正証書遺言
- 秘密証書遺言
それぞれの特徴を確認していきましょう。
自筆証書遺言
自筆証書遺言は、自分で手書きして作成する遺言書です。
費用がかからず、手軽に作成できる反面、書き方や内容に誤りがあると無効になる可能性があります。
また、紛失するリスクもあります。
ただし2020年7月10日以降、法務局による保管制度が開始され、安心して保管しやすくなりました。
公正証書遺言
公正証書遺言は、公証役場で公証人の立ち会いのもと作成するものです。
原本は公証役場に保管されるため、紛失や改ざんの心配がありません。
ただし証人が2名必要であり、一定の手数料がかかる点に注意が必要です。
確実に遺言を残したい場合は、こちらが選ばれます。
秘密証書遺言
秘密証書遺言は、内容を誰にも見せずに作成し、公証人にその存在だけを証明してもらう形式です。
秘密は保たれますが、自筆証書遺言と同じく無効となるリスクがあります。
自筆証書遺言や公正証書遺言に比べて、あまり選ばれない形式です。
司法書士に依頼する6つのメリット
遺言書を司法書士に依頼すると、以下のようなメリットがあります。
- 法的に有効な遺言書を作成できる
- 相続トラブルを予防できる
- 財産の棚卸しや整理をサポートしてくれる
- 公正証書遺言の作成をスムーズに進められる
- 保管や執行も任せられる
- 専門的なアドバイスが受けられる
それぞれ確認していきましょう。
法的に有効な遺言書を作成できる
遺言書には形式や内容について法律上のルールがあります。
たとえば自筆証書遺言の場合は、遺言の全文や日付、氏名などを手書きで行わなければなりません。
せっかく遺言書を残しても、法律に定められた形式に則っていなければ、無効となる可能性があります。
司法書士に依頼すれば、法的なルールを正確に守った遺言書を作成できるため、無効になるリスクを大幅に減らせます。
相続トラブルを予防できる
専門家が関与すれば、遺産の分け方や文言が明確になり、相続人間のトラブルを未然に防ぎやすくなります。
遺言書を書く場合、単に「自分の財産を長男に任せる」などの文言では、どの財産をどのように分ければよいかわかりません。
司法書士に依頼すれば、「誰に」「何を」「どれだけ渡すか」を明確に記せます。
財産の棚卸しや整理をサポートしてくれる
遺言書を書く場合、財産目録を作成する場合があります。
民法改正により、2019年以降はPCや代筆での作成もできるようになりました。
司法書士は、不動産や預貯金、有価証券などの財産を整理し、一覧表にまとめる作業もサポートしてくれます。
自分では見落としがちな財産や負債の確認もできるため、正確な内容の遺言書を作るうえで役立ちます。
公正証書遺言の作成をスムーズに進められる
公正証書遺言は、確実に遺言を残せる反面、自筆証書遺言より手続きが煩雑です。
慣れていないひとにとって、公証役場とのやり取りや必要書類の準備は、大きな負担になるかもしれません。
しかし司法書士に依頼すれば、これらの手続きも代行してもらえるため、スムーズに作成が進みます。
保管や執行も任せられる
遺言書を作成した後、そのまま放置すると、せっかくの内容が見つからなかったり、相続人が開封方法に迷ったりするおそれがあります。
司法書士に依頼すれば、遺言書の保管を適切に実施してもらえます。
さらに、司法書士を「遺言執行者」として指定すれば、遺言の内容を実際に実現するための手続き全般を代行してもらえます。
遺言執行者は、被相続人が亡くなった後、銀行や法務局、証券会社などの手続きをおこない、遺言に従って遺産を分配する立場です。
事務処理を司法書士が一手に引き受けてくれるため、相続人の負担が大幅に軽減されます。
専門的なアドバイスが受けられる
家族構成や財産の状況、将来起こり得るリスクなどを考慮しながら、より適切な遺言内容を提案してくれます。
遺留分の配慮や、認知症などの事前リスクの相談も可能です。
司法書士に依頼する際の費用目安
司法書士に依頼する場合、費用は内容や地域によって異なりますが、一般的には以下のような費用がかかります。
- 自筆証書遺言の作成サポート:3万円~8万円前後
- 公正証書遺言の作成サポート:5万円~10万円前後
- 遺言執行者としての報酬:遺産総額の1~3%程度が目安
費用がかかるとはいえ、将来のトラブルを防ぐという点で見れば、十分に検討する価値があります。
まとめ
今回は、遺言書の作成を司法書士に依頼するメリットを解説しました。
遺言書は、自分の意思を伝え、家族のトラブルを防ぐための重要な手段です。
法律の専門家である司法書士に依頼すれば、正確に遺言書を作成してもらえます。
将来に不安を残さないためにも、自分の状況に合わせて専門家に相談するのがおすすめです。

