備後町士総合事務所
遺言書が無効になってしまうケー...

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遺言書が無効になってしまうケースとは?

遺言書は、死後の意思を明確に示すための文書です。
しかしせっかく作成しても、一定の条件を満たしていないと無効になる可能性があります。
今回は、どのような場合に遺言書が無効と判断されるのか、主なケースを紹介します。

遺言書が無効になるとどうなるのか

遺言書が無効になると、遺産分割は民法に定められたルールに従って行われます。
つまり、故人の希望どおりに財産が分配されない可能性があります。
相続人同士での争いが激化するケースもあるため、なるべく無効になるリスクを減らすための工夫が必要です。

遺言書の種類によって無効のリスクが異なる

遺言書には、主に以下の3つの方式があります。

  • 自筆証書遺言
  • 公正証書遺言
  • 秘密証書遺言

それぞれの方式によって、形式や要件が異なります。

自筆証書遺言

最もよく使われる形式が自筆証書遺言です。
本人がすべて手書きで作成する遺言書であり、比較的手軽に作成できる反面、形式に不備があると無効になります。

  • 日付が記載されていない、または特定できない
  • 全文が本人の手書きでない
  • 署名や押印がない
  • 訂正方法にミスがある

上記の点が1つでも該当すると、無効と判断される可能性があります。

公正証書遺言

公正証書遺言は、公証役場で公証人に作成してもらう方式です。
作成すると、原本は、公証役場に保管されます。
自筆証書遺言に比べると、無効になるリスクが格段に低くなります。

秘密証書遺言

内容を秘密にしたまま、公証人に遺言書が存在することを証明してもらう方式です。
自筆証書遺言と同様、形式的な不備で無効になる可能性があります。
作成例が少なく、一般にはあまり使われていません。

遺言書が無効になるケース

遺言書が無効になるケースは、主に以下の5点です。

  • 遺言能力の欠如
  • 形式不備
  • 偽造
  • 錯誤・強要・詐欺
  • 公序良俗違反

それぞれ確認していきましょう。

遺言能力の欠如

遺言書は、遺言者が自分の意思を理解しているのが前提です。
遺言書の作成時に意思能力がないと判断されると、内容に関係なく無効になります。
よくあるのは、高齢者が遺言書を作成する場合に、認知症などの影響で「遺言能力がなかった」と争われるケースです。
医師の診断書がない場合や、遺言作成時の状況が不明な場合には、無効とされるリスクが高まります。
また民法第961条によれば、15歳に達していなければ、遺言はできません。
遺言書の形式そのもの以前に、そもそも能力を満たしているかを確認してください。

形式不備

遺言書には、法律で定められた形式があります。
形式を守っていない場合は、たとえ内容が合理的でも無効となるリスクがあります。
日付に関しては、「○月吉日」「2024年春頃」などのあいまいな表現では、遺言書が有効とされない可能性があります。
正確な日付を手書きで明記してください。
また、遺言者の署名と押印がないと、本人が作成したことが証明できません。
形式不備は、基本的に自筆証書遺言(秘密証書遺言)で起こりがちなので注意してください。

偽造

まずは、「偽造」です。
民法第968条第1項によれば、自筆証書遺言を作成する場合、遺言書の全文、日付及び氏名を自分で書くのが前提です。
そのため、偽造された場合は、そもそも遺言書として成り立ちません。
また、民法第891条第5号によれば、偽造・変造・破棄・隠匿したひとは、相続人になる資格がありません。

錯誤・強要・詐欺

あまり多くはありませんが、錯誤・強要・詐欺による作成も、遺言書が無効になる可能性があります。

【錯誤】
民法第95条によれば、ある行動や契約をするときに、本人が錯誤をしていた場合、その行為を取り消せる可能性があります。
具体的には、以下のようなケースです。

  • 本人の意思と異なる内容を誤って記載していた
  • 判断の根拠になった情報が実は嘘だった

ただし重大な過失だと、基本的には取り消せません。

【強要・詐欺】
民法第96条によれば、暴力や脅しで無理やりやらされたり(強迫)、だまされたり(詐欺)して契約などをさせられた場合は、その行為を後から取り消せます。
ただし遺言書の場合、被相続人が死亡している以上、強要・詐欺を立証するのは基本的に困難です。

公序良俗違反

民法第90条によれば、公序良俗に反する法律行為は無効になります。
公序良俗とは、社会全体の道徳やルール、公共の利益や秩序を守るための考え方です。
つまり公序良俗に反するとは、簡単に表現すると「法律には書かれていないけど、社会的に見てアウトな行為」です。
以下のような内容があると、遺言書が無効とされる可能性があります。

  • ある相続人に財産をあげる代わりに、他の相続人に嫌がらせをするよう命じる
  • 不倫相手に財産を全て残すと明記し、配偶者を完全に排除する
  • 他人を名誉毀損するようなことを書いている

上記のように、社会通念上受け入れられないような内容は、公序良俗違反として無効になります。

まとめ

せっかく遺言書を作っても、形式や内容に問題があれば効力を持たなくなります。
特に自筆証書遺言は手軽に作れる反面、形式の不備や内容の不明確さで無効になるケースが少なくありません。
遺言書を確実に残したい場合は、弁護士や公証人の関与を検討し、正しい手続きを踏むのが重要です。
相続トラブルを防止するためにも、法的に有効な遺言書を準備するよう心がけてください。

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